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エムキュウデザイン、2013年11月12日のニュースです。

ハイクオリティ風、いい感じ風(貸しポジから考える・その2)

2013年11月12日(火)

 前回に続き、「貸しポジを通じて表現などを考える」です。
今回は「photoshopvip」の記事、「超ハイクオリティな無料写真素材をダウンロードできるサイト9個まとめ」からこんなのつくりました。

 さて上記10枚のなかで「m9design」という言葉が、いちばんよく見える、あるいは、より良く受け入れられそうなのは、はたしてどれだろう?

 どれでもいいよね。というかどうでもいい。ブログのスキン的に、どうぞお好きなものをという感じ。

 なんたって無料というのが、もう意味がわからないのだけど、ここに並んだ写真は「ハイクオリティ」ではなくて「ハイクオリティ風」と言うべきだろう。個々の写真に罪はない、というかどれも「すてきでいい感じ」だ。ただあらゆるコトがすごいスピードで相対化される昨今、「ハイクオリティ」もまた、括られたと瞬間に「風」であり「的」に貶められ、僕には輝きが消えて見えてしまう。

 「貸しポジ」とは、つまり「相対化されたイメージの墓場」ということもできるのだけど、こと「いちデザイナー」という立場で眺めるなら、世界は「ハイクオリティ風、いい感じ的なもの」に溢れていて、クライアントは、それら「風」や、それら「的」をデザイナーに求め、その需要に応えることに大いに貢献してくれているのが「貸しポジ」だ。

 いずれにせよ、実際の仕事においては、想定されたターゲットやらクライアントの意向やらなにやらさまざまな情報条件を鑑み、原理的には、なにかひとつを選ぶわけだ。

「この言葉は、この世界観にのせたら、より伝わります」という前提で。

 とは言え、仕事のよろこびという視点から言えば、「風」や「的」ではないものを提案したいと常に思っている。「風」や「的」でないものとは、つまり新しいってことだ。巷では見かけませんが、僕らはこれを面白いと思いますがどうでしょうと世に問うってことだ。もちろんそれはデザイナーだけのがんばりでは無理で、そういうことに「うん」って言ってくれるクライアントさんをいつも募集中、ということになるわけです。

ということで、もう2枚。前回は批判的な俎上にのせたこの写真、
なんか新しくない? なにかが伝わらない? ちがうか?

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